【司法書士が解説】ある日突然、見知らぬ人の相続人に?!戸惑いを解消する完全ガイド

困惑する女性

 「あなたは〇〇さんの相続人です。」

 ある日、ポストに届いた一通の手紙。差出人も聞いたことがない名前で、内容もにわかには信じがたい…。

 「これって詐欺?」「一体どういうこと?」と不安に思われるのも無理はありません。

 この記事では、突然見知らぬ方の相続人になったと連絡を受けた方が、まず何を知り、どう行動すべきかを司法書士が分かりやすく解説します。

なぜ私に手紙が?その手紙は本物?

 多くの方がまず疑問に思うのは、「なぜ見ず知らずの私に手紙が届くのか?」そして「その内容は本当に正しいのか?」ということでしょう。

家系図

 実は、亡くなられた方(被相続人といいます)に身寄りがない場合や、法定相続人が誰なのかを確定させるために、戸籍をたどって相続人を調査することがあります。戸籍には本籍地や筆頭者、そして親族関係が記録されているため、これを辿ることで、相続人を明らかにすることができます。そして、これにより面識のない遠縁の親戚の相続人として特定されることがあるのです。

 しかし、戸籍には電話番号までは記載されていません。そのため、相続人として特定された方への連絡手段は、必然的に手紙が多くなるのです。

手紙が届いたら、まずは冷静に内容を確認しましょう。

差出人は誰か?

 法律事務所や司法書士事務所、他の相続人、または遺産管理人、市区町村の部署など、様々なケースが考えられます。

どのような内容か?

 被相続人の氏名、死亡日、あなたとの関係性、連絡を求めている理由などが記載されているはずです。

連絡先は明記されているか?

 差出人の連絡先がきちんと書かれているか確認しましょう。

詐欺の可能性もゼロではありません。

詐欺し

 差出人が役所でも安心はできません。以前、裁判所を騙った詐欺DMによって、金銭をだまし取られる事件がありました。また、最近では警察署を名乗って巧妙に金銭をだまし取る詐欺事件もあります。

 不審な点を感じたら、すぐに返信したり電話するのではなく、まずはその手紙に記載されている情報(例えば、差出人の事務所が実在するのかインターネットで調べてみるなど)の真偽をご自身で少し調べてみましょう。

 それでも判断がつかない場合は、お近くの司法書士や弁護士にご相談ください。

手紙を送ってきた相手の目的は?相手も実は困っている

 手紙を送ってきた相手は、何らかの法的な手続きを進めるために、あなたに連絡を取る必要があったと考えられます。

 例えば、以下のようなケースが考えられます。

遺産分割協議のため

 被相続人に遺産があり、それを相続人間での話し合い(遺産分割協議)をする必要がある。

相続放棄の確認のため

 他の相続人や利害関係人などが、あなたが相続放棄をするかどうかを確認したい。

債務の処理のため

 被相続人に借金などの債務があり、債権者が借金返済の催促をするため。また、催促を受けた相続人が、債務の処理について他の相続人間で話し合う必要があるため。

管理が行き届かない空き家や空き地の適切な管理を依頼するため

空き家のイラスト

 被相続人が所有していた土地や建物が放置されていて、周辺住民や付近の通行人に被害を及ぼすおそれがある場合など

 いずれにしても、相手方にはあなたと連絡を取り、手続きを進めたいという明確な理由があるのです。

手紙の内容が事実!あなたが相続人だった場合にできること

 手紙の内容が事実で、あなたが本当に見知らぬ方の相続人であった場合、主に以下の2つの選択肢があります。

相続放棄

 相続放棄とは、亡くなった方の遺産(プラスの財産もマイナスの財産も含む全て)を一切相続しないという意思表示を家庭裁判所で行う手続きです。

 特に、被相続人に多額の借金がある場合などは、相続放棄をすることでその債務を引き継がずに済みます。

Warning

 原則として、ご自身が相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。この期間を過ぎると相続放棄が認められない場合があるので注意が必要です。

相続放棄のお手続き

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遺産分割協議に参加する

 相続放棄をしない場合は、他の相続人と共に遺産分割協議に参加し、遺産の分け方について話し合うことになります。

 遺産には、預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれます。遺産の内容をしっかり把握した上で、協議に臨むことが大切です。

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手紙を無視し続けたらどうなる?

 「よくわからないし、関わりたくないから無視しよう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、手紙を無視し続けた場合でも、法的な手続きは進んでいく可能性があります。

 例えば、他の相続人が家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てた場合、あなたは相続人の一人として調停に呼び出されることになります。それでも出頭しない場合、あなたの意向が反映されない形で調停が進んだり、審判に移行したりする可能性もあります。

 また、最も注意すべきは、被相続人に借金などの債務がある場合や、空き家の所有者であった場合です。相続放棄の手続きをしないまま放置していると、その債務を相続してしまうことになる可能性があります。

 後から「知らなかった」では済まされないケースもあるため、安易な無視は禁物です。

不安な時は、迷わず専門家へ相談を

 見知らぬ方の相続人になったという手紙を受け取ったら、多くの方が戸惑い、不安を感じると思います。そのような時は、一人で悩まずに、まずは相続問題に詳しい司法書士や弁護士にご相談ください。

専門家は、以下のようなサポートをすることができます。

手紙の内容の確認とアドバイス

 手紙が本物か、どのような対応をすべきか的確にアドバイスします。

戸籍の収集と相続人の確定調査

 ご自身で戸籍を集めるのが難しい場合、代行することができます。

相続放棄の手続きサポート

 相続放棄の家庭裁判所への申述書類の作成をサポートします。

遺産分割協議のサポート

 他の相続人との交渉(※弁護士のみ可)、遺産の内容調査や、遺産分割協議書の作成などをサポートします。

遺産分割調停や審判への対応

 代理人として参加(※弁護士のみ可)又は書類作成を通じてサポートします。

まとめ

 突然の出来事で冷静な判断が難しい状況だからこそ、専門家の知識と経験を頼ることは非常に有効な手段です。

 弊所は初回相談は無料で承っておりますので、まずは気軽に問い合わせください。

 この記事が、少しでもあなたの不安解消のお役に立てれば幸いです。

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