親友から預かった通帳とキャッシュカード──知らされていなかった親族の連絡先。「相続人探し」の壁と、司法書士が導いた解決策とは?

「親しい友人が亡くなった。入院中に預かっていた預金通帳や現金を、きちんと相続人に返したい。でも、友人の親族とは面識がなく、連絡先も全く分からない…」
このようなお悩みで、途方に暮れてしまう方がいらっしゃいます。
先日、私ども司法書士法人槐事務所(多摩市)にご相談くださった方も、まさにそのような状況でした。 ご依頼者様は、亡くなられたご親友の入院生活を献身的にサポートされていました。入院費用の支払いや日用品の購入のため、ご親友から預金通帳とキャッシュカードを預かり、金銭の管理を任されていたそうです。 しかし、ご親友は治療の甲斐なく、突然この世を去ってしまいました。
「友人が残した大切な財産を、間違いなくご相続人にお返ししたい。」
その一心で、ご自身で動こうとされました。しかし、ご親友からご親族に関する詳しい情報を聞いていなかったため、どなたにご連絡すれば良いのか、全く見当がつかない状態でした。
「相続人ではないから」と役所で門前払い…善意が届かない壁
このような場合、亡くなられた方の戸籍謄本や住民票などを辿っていくことで、相続人を明らかにすることができます。 しかし、ご依頼者様はご親友の親族ではなく、法律上の相続人ではありません。そのため、役所の窓口で戸籍の取得を申請しても、「あなたは相続人ではないため、交付できません」と断られてしまったそうです。
善意でご友人のためを思って行動しているのに、何も進められない——そんな八方塞がりの状況で、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
専門家ならできること:諦める前にご相談ください
私たち司法書士には、事件や業務の遂行に必要な範囲で戸籍謄本などを請求できる「職務上請求」という権限があります。しかし、今回のご依頼者様のような「相続人ではない方が、故人の財産を相続人に返還したい」というケースでは、この職務上請求を利用することは難しいのが実情です。
しかし、方法が全くないわけではありません。
このようなケースでは、市区町村の戸籍担当部署に対し、「なぜ戸籍や住民票が必要なのか」という正当な理由を具体的に説明し、それを裏付ける適切な資料を整えて提出することが鍵となります。役所がその理由と資料を審査し、「相当である」と認めれば、相続人調査に必要な戸籍謄本等の交付を受けることが可能になる場合があります。
当事務所では、ご依頼者様のお話を丁寧にお伺いし、役所に提出するための理由説明の方法や、必要となる資料の収集について具体的にアドバイス。手続きをサポートさせていただきました。
その結果、無事にご親友の相続人様を特定することができ、ご依頼者様が大切に預かっていた財産を、正式な相続人の方々へ確実にお引き渡しすることができました。「肩の荷が下りました」と安堵されたご依頼者様のお顔が、私たちにとっても何よりの喜びでした。
大切な想いを、確実につなぐために
このように、法律的な知識と手続きのノウハウがあれば、一見難しく思える状況でも、あなたの「善意」を形にできる可能性があります。
- 「自分は相続人ではないから、何もできないのでは…」
- 「役所で一度断られたから、もう無理だろう…」
そう諦めてしまう前に、ぜひ一度、私たち専門家にご相談ください。 大切な方から託された想いを、正しく、そして確実に未来へ繋ぐために。 司法書士法人槐事務所(多摩市)が、全力であなたのお手伝いをさせていただきます。
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