病室での遺言書作成も可能?司法書士による出張相談から公正証書作成、遺言執行まで

はじめに

遺言書のイラスト

ご自身の意思をご家族などに確実に伝えるための「遺言書」。

しかし、ご病気や入院など、様々なご事情でご自身で手続きを進めるのが難しい場合もあるかと存じます。

当事務所では、そのような状況にある方々も安心して遺言書を作成し、その想いを未来へ繋ぐお手伝いをさせていただいております。

今回は、入院中の患者様からご依頼を受け、遺言書の作成からその内容の実現までをサポートさせていただいた事例をご紹介します。

ご依頼の経緯:入院中の患者様からのご相談。医療ソーシャルワーカー(メディカルソーシャルワーカー、MSW)を通じて。

ある日、病院に入院されている方から、「遺言書を作成したい」とのご相談をいただきました。より詳しくは、医療ソーシャルワーカー(メディカルソーシャルワーカー、MSW)の方が窓口になられてのご相談です。

ご本人は外出が難しい状況でしたが、ご自身の財産の承継について、明確な意思表示をしておきたいという強いご希望をお持ちのようでした。

当事務所の対応:病院へ出張し、丁寧なヒアリングから

当事務所の司法書士が直接、ご入院先の病室へお伺いいたしました。

まず、ご本人がどのような内容の遺言を希望されているのか、可能な限り、お時間をいただきいて、丁寧にお話を伺いました。

ご家族への想い、財産の分け方など、ご本人の意思を正確に反映した遺言書を作成するため、細部まで確認を重ねました。

遺言公正証書の作成準備:公証役場との連携

お伺いした内容に基づき、当事務所にて遺言書の文案を作成し、ご本人にご確認いただきました。

そして、より確実な「遺言公正証書」とするため、公証役場と打ち合わせを行いました。

通常、公正証書遺言は公証役場で作成しますが、今回はご本人の外出ができないため、公証人にも病室まで出張していただくよう手配いたしました。

公正証書遺言の完成:司法書士が証人となり、万全の体制で

遺言書作成当日、公証人に病室へお越しいただき、当事務所の司法書士2名が証人として立ち会いました。

ご本人の意思確認、遺言内容の口授(読み上げ)などが厳格に行われ、無事に「遺言公正証書」が完成しました。

入院中という状況ではありましたが、ご本人の想いを形にできた瞬間でした。

その後:遺言執行者として、遺言内容の実現へ

後日、残念ながらご依頼者様(遺言者)はお亡くなったことを、医療ソーシャルワーカーからのご連絡をいただきました。

そして、生前のご意思である遺言書の内容に基づき、当事務所が遺言執行者に就任いたしました。遺言執行者は、遺言書に書かれた内容を実現するために必要な手続き(預貯金の解約・分配、不動産の名義変更など)を行う役割を担います。

当事務所は遺言執行者として、ご逝去後の諸手続きを責任を持って進め、無事に遺言書の内容を実現することができました。

おわりに

当事務所では、ご高齢の方、ご病気の方、お体が不自由な方など、様々なご事情を抱える方からの遺言書作成のご相談に対応しております。

ご自宅や病院、施設などへの出張相談も可能です。

また、遺言書の作成だけでなく、その後の遺言執行まで見据えたトータルサポートをご提供することで、ご本人の想いを実現するお手伝いをいたします。

遺言書の作成や相続についてご不安な点がございましたら、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

遺言書作成をお手伝いします

遺言は、個人が亡くなった後の財産分配や最終意志を法的に表明する文書です。誰でも簡単にボールペンと紙を使って作成できますが、形式を守らなければ無効になるリスクが…

初回のご相談は無料です!042-319-6127受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]

お問い合わせ お気軽にお問い合わせください。

関連記事

  • 民事信託(家族信託)とは?司法書士がメリット・デメリットとリスクを解説
    「家族信託って聞いたことあるけど、どんな制度?」 「親の財産管理のために民事信託を考えたいけど、難しそう…」 大切なご家族の将来やご自身の財産管理のために、有効な手段となる可能性がある一方で、内容が複雑でわかりにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。 この記事では、本的な仕組みから、メリット・デメリット、そして知っておくべきリスクについて解説します。
  • 【司法書士が解説】その遺言書、大丈夫?手続きできない遺言と安心な対策
    遺言書は法的なルールが細かく定められており、内容次第ではかえって紛争の種になりかねません。 今回は、遺言書にまつわる落とし穴と、そうした事態を避けるためのポイントについて、専門家の視点から分かりやすく解説します。
  • 病室での遺言書作成も可能?司法書士による出張相談から公正証書作成、遺言執行まで
    ご病気や入院など、様々なご事情でご自身で手続きを進めるのが難しい場合もあるかと存じます。 当事務所では、そのような状況にある方々も安心して遺言書を作成し、その想いを未来へ繋ぐお手伝いをさせていただいております。 今回は、入院中の患者様からご依頼を受け、遺言書の作成からその内容の実現までをサポートさせていただいた事例をご紹介します。